精霊の呼ぶ声。均一な振動の上に、微かに調子の狂った翠。
彼らのいる場所は、森だろうか?泉だろうか?コンクリートに包まれて僕らは悩む。
本当は捕まえたくて仕方がない。そこいらの発明品では到底歯が立たないことも、分かっている。彼らは、秀麗なる残滓を散りばめながら、指と指、爪と爪の間を透けて舞う。
或いは幻想だろうか?はたまた、この世が幻想だろうか?知る由もなし。
何を見て生きているのだろう。
何を聞いて生きているのだろう。
何を、何を、何を。これもまた、知る由もなし。
鱗粉を指から払おう。さもなくば、新たなる孤立を得ることもできないのだ。ただ、唐突に訪れる、渓流の淵にこそ、自由の乱立の機運は高まるのだ。