2021-09-05から1日間の記事一覧
精霊の呼ぶ声。均一な振動の上に、微かに調子の狂った翠。彼らのいる場所は、森だろうか?泉だろうか?コンクリートに包まれて僕らは悩む。本当は捕まえたくて仕方がない。そこいらの発明品では到底歯が立たないことも、分かっている。彼らは、秀麗なる残滓…
かりそめの言葉。住み慣れた場所。真心。誰もが盲目になることを望まないくせに、脇目も振らずに駆けようとする。小さい紙切れに何かを書いて、もっと小さく、小さく、丸める。優しく、壊れないように、それでも小さく、押し丸める。それが終わったら、風の…
滔々と流れ落ちる優しさはいつも、どこにゆくでもなくただ冷たく澄みかつ濁りを失わない。川が湧き水へ逆流しないように、時間が決して戻らないように。噛み潰したミントの匂いは、これと少し似ているようでまた違う。苦虫も噛み潰せぬようでいて、何を語れ…