風の粒が、額から、腕から、当たっては砕ける。それはあたかも連続であるようで、非連続性に対して不感になるのが恐ろしく、また、興醒めでもある。実際のところ、粒がどこまで浸透し、どこで砕けるのかは私には分からない。懸念すべきは、なぜ砕けるかなの…
俺はいわば、緑色のカブトムシの、乾いた殻を破り出てきたような状況で、頭の周りは無数の花火に埋め尽くされている。記憶の逆流に伴う妙な圧迫感を、喉のあたりに感じては、羞恥と忘却との谷間へと転げ落ちる。風を切る間もなく、火のつかぬ灰のごとく、転…
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